主治医

父が入院して一ヶ月と一週間が経った。
自分は埼玉・山口を行ったり来たり、周りの協力もあり、いただいている仕事もなんとか滞りなく進行している。
解けない雪のように降り積もる不安と疲労の中、ついていけないスピードで時間が過ぎる。確定申告がやばい。

正直なところ、日に日に病状は厳しくなっている。
家族だけでなく、ICUチームにも疲弊が伺える。

「いつ心臓が止まってもおかしくない」

「それほど病状は厳しい、回復の可能性は限りなく低い」

と言われ続けてひと月、とても劣勢ながら父がまだ闘えているのは、本人の体力精神力もあるだろうけど、ICUチームの細やかなケアのおかげに他ならない。

主治医からはネガティブなことばかり言われ「いつあきらめるのか?」というニュアンスもしばしば見られるようになった。それに、そろそろ腹が立ってきた。父はまだ生きているし、回復の可能性がわずかでもあるのなら諦めたくないのは家族として普通ではないのか?

「ドラマではこういう状態から奇跡的に助かったりしますが、現実にはほとんど起きないんです」

「最初の状態が悪すぎた。せめて入院3日前に採血をしていれば…」

「ゼロだとしても、ゼロとは言えないですよねぇ」

とか言われたりする。
それって、主治医が患者家族に言っていい言葉なのだろうか?
せめて言い方には最大の配慮が必要な言葉ではないか?

「非常に厳しい」のは随分前にわかっているし、希望で胸がいっぱいってわけじゃない。
家族は全員覚悟している。ただ、少なくとも自分はそのわずかな可能性を信じているのだ。
僕らのお父さんなら、やってくれる、こんなところで死ぬタマかよ、って。
それくらい許してほしいし、可能な限り力を貸してほしい、それだけだ。結果ダメだったとしても病院側を責めるつもりなんて毛ほどもない。

自分たち家族だけでなく、一生懸命尽くしてくれた皆が疲れているはずだ。
だけど、本当に言葉には気をつけてほしい。

あなたたちは、人の人生を背負った仕事をしているのだ。

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