新人既婚男性の独白

まだ新人既婚男性の身ながら、初対面の相手(老若男女問わず)に既婚者であることを伝えるだけで、若干相手からの信頼感安心感が増している実感があり、結婚というシステムの恩恵を感じている。

とはいえ、私にとって最大の恩恵は「ただの交際よりも、彼女(奥様)が私と別れにくい」という一点に尽きる。要するに簡単に逃がさないための契約である。それをあけっぴろげに言うと怪訝な顔をされることもあるので、言う場所は慎重に選んでいる。この場所においても、少しでも引かれていると感じたらすぐに該当箇所を消去の上、何も無かったことのように振る舞いますのでよろしくお願いします。

ここ数年ほとんどの仕事を自宅で行なっているため、必然的に我が家の家事は私がすることが多い。掃除洗濯皿洗い、炊飯予約に食材や日用品の買い出し。だが、多くこなすほど奥さんは申し訳なさを感じるらしく、喜んでくれるよりも「また全部やってる!申し訳ないから、少しはほったらかしておいてよ!」と、やったことに文句を言われることさえある。かわいい、かわいすぎる。私にとっては家事は大事な気晴らし(a.k.a.現実逃避)の時間であるため、制限されるのは困る。いかに「やりました感」を消臭して家事を行うかが目下の課題である。

彼女は得意なことはものすごく得意だが、不得意なことをすると一瞬で思考回路がショート寸前♪ になってしまうタイプで、仕事中の私に「うう〜たすけて〜」と持ちかける。私は彼女が苦手なことほど割と得意な傾向があるし、頼られるのも嬉しいしかわいいので、やってることを横に置いて彼女の作業を手伝う。そんなある折「こんなにも大ちゃんの時間を奪って、フォローばっかしてもらって、迷惑かけて…別れたくなったりしない?」と言われた。(かわいい)

そう言われて、改めて思う。

一人でいれば「楽」かもしれない、自分のための時間が増えて、たとえば音楽する時間や好きなものに浸る時間も増えて、やりたいことがもっとできるかもしれない。実際、自分自身バリバリの生涯独身派、結婚否定派だったので、そのメリットはよく理解できる。

でも、今の自分にとって「楽しい」はそっちじゃない。

彼女が日々にもたらす、ありえないヘンテコや意味不明な不都合や次から次へ押し寄せるトラブルや、それで受ける多大なストレスも、もはやすべてが愛おしい。ブンブン振り回されて七転八倒、一喜一憂する、思い通りにいかない毎日こそが、幸せそのものなのだ。

幸せは損得では割り切れない、割り切ってはいけない。ルフィが海に出る理由はこれかもしれない、子育てに追われる友人がなんだかんだで幸せそうなのはこれかもしれないと、ふっと思ったりする。

先日「もう寝る〜」と言って二人で見ていた映画を中断しベッドに入ったのに、そこからスマホを手に取りインスタを延々と眺める彼女にめっちゃムカつきこんにゃろう寝るならはよ寝ろや…!と思った際、ふっと幸せを感じて吹き出した。彼女は振り向きブルーライトですっかりバキバキの目を輝かせ「ナニ笑ってるの?」と聞く。「いや、幸せやな〜好きやな〜と思って」と答えると彼女は「へぇ〜、いいよ♡」と謎の返事をし、またインスタに潜った。#なんやこいつ

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